サッカーをがんばるお子さんの「すねが痛い」「腰がだるい」は、疲労骨折のはじまりかもしれません。疲労骨折は練習量が急に変わったあとに起きやすく、しかもレントゲンに写らない時期があるため、見つけるのが遅れやすいケガです。この記事では、作業療法士として医療現場で19年の経験を持つ院長が、おうちで5分でできる全13項目のチェック表と、判定別におすすめの動きを動画つきでお伝えします。ページの中でチェックを入れると、その場で判定が出るセルフチェックもご用意しました。A4 1枚の印刷用PDFも無料でお配りしています。
この記事の内容は、5分59秒の動画でもご覧いただけます。13項目のチェックと、予防の4つの動きの実演を、順番にお話ししています。文章を読む時間がないときは、こちらからどうぞ。
疲労骨折とは、走る・跳ぶ・踏み込むといった動作の繰り返しで骨に小さな負担が積み重なり、少しずつひびが入っていく状態のこと。ぶつけた記憶がないまま進んでいくため、本人も周りも気づきにくいと言われています。
「成長痛かな」と思っていた痛みが、疲労骨折のはじまりだったということがあります。 見分けるヒントのひとつが、痛む範囲の広さです。すねや足の甲のように皮膚のすぐ下に骨がある場所では、成長痛や筋肉痛が広い範囲にぼんやり出るのに対して、疲労骨折は指1本で指せる狭い1点が痛みます。
ただし、腰のように骨が筋肉の奥にある場所では、この見分け方は使えません。 腰は「反らすと痛むかどうか」で確かめます。この記事の13項目チェックは、その両方を見られるように作りました。
「大げさかな」と「放っておいて大丈夫かな」のあいだで迷っている保護者の方は、本当に多いです。判断に迷うのは、心配しすぎだからではありません。判断するための材料が、まだ手元にないだけなんですよね。この記事は、その材料をお渡しするために書きました。
なぜ今、サッカーをする子に疲労骨折が増えているのでしょう
疲労骨折は「練習をたくさんしたから」というより、「練習の量や内容が急に変わったから」起きることが多いと考えられています。 骨は毎日少しずつ作り替えられていますが、その順番が「先にこわす、あとから作る」なんです。だから急に練習が増えると、こわす作業だけが先に進んで、作り直しが追いつかない時期ができてしまいます。
この時間差があるために、練習量が急に増えてから3〜4週間ほどたったころに痛みが出はじめることが少なくありません。合宿が終わってひと息ついたころ、進学して新しいチームに慣れてきたころ——「いちばん調子がよさそうだったのに」というタイミングで痛みが出るのは、このためです。

サッカーは、切り返し・ダッシュ・キックという動作を1日に何百回も繰り返す競技です。負担が集まりやすいのは、すね・腰・足の甲・足の外側になります。
💡 研究でわかっていること
日本の中高生サッカー選手を1年間追いかけた研究では、26.3%の選手に腰の疲労骨折(腰椎分離症)が見つかったと報告されています。4人に1人という数字です。
さらにこの研究では、太ももの裏(ハムストリングス)の硬さも、腰の疲労骨折に関わる要因のひとつであることが示されました。太ももの裏(ハムストリングス)が硬い選手は、そうでない選手に比べてリスクが約3.2倍高かったと報告されています。
※ Tsutsui et al., 2023, Am J Sports Med
もも裏が硬いと、走ったり蹴ったりするたびに骨盤の動きがロックされて、その分を腰の骨が反って補うことになります。つまりもも裏の硬さは、腰の骨に「肩代わり」をさせている状態なんですね。ここは、おうちで測れる数少ない予測因子です。
すね・腰・足の甲——どこが痛いかで見当がつきます
お子さんが「痛い」と言ったとき、最初に知っておいていただきたいことがあります。疲労骨折は、体のどこにでも同じように起きるわけではありません。 起きる場所には、はっきりとした偏りがあるんです。
💡 研究でわかっていること
6歳から18歳の726人を8年間かけて調べた研究では、疲労骨折が起きた場所の8割以上(83%)がすねでした。次に多いのが太ももの骨の膝に近い部分(約11%)、そして足の甲(約4%)と続きます。
※ Pei et al., 2026, J Orthop Surg Res
この研究は脚の骨が中心でしたが、サッカーをする子では、これに前の項でお話しした腰が加わります。つまり、すね・腰・足の甲。この3か所を知っておけば、多くの場合はカバーできます。そしてこの3つは、痛み方がそれぞれ違います。お子さんの訴え方をあてはめてみてください。

すね——「なんとなく全体」から「指1本の1点」へ
はじめのうちは、すねの内側全体がなんとなく重く痛みます。走ったときだけ痛くて、休むと消える。この段階では、シンスプリント(すねの内側に出る痛み)と見分けがつきにくいです。
合図になるのは、痛む範囲が狭くなってきたとき。「このへんが痛い」と手のひらでさすっていたのが、「ここ」と指1本で指せるようになってきたら、骨のほうに進んでいるサインかもしれません。
さらに進むと、走っているときだけでなく、歩くとき、階段を降りるとき、そして夜寝ているときにも痛むようになります。夜も痛がるというのは、かなり進んだ状態を示す合図と考えられています。
腰——反らすと鋭く痛む
腰の疲労骨折(腰椎分離症)は、だるさや重さではなく、上体を後ろに反らしたとき、反らしてひねったときに鋭く痛むのが特徴です。
腰を反らすと、背骨の後ろ側の細い部分に強い圧がかかります。そこに小さなひびがあると、その瞬間に痛みが出ると考えられています。だから「前かがみは平気なのに、反らすと痛い」という訴え方をすることが多いんですね。
💡 研究でわかっていること
腰の痛みで受診した思春期の選手1025人を調べた研究では、全体の30%が腰椎分離症でした。競技別に見ると、男子サッカー選手では48%——およそ半数にのぼったと報告されています。
※ Selhorst et al., 2019, Clin J Sport Med
ひとつ、大事なことがあります。腰は、指1本で痛む1点を押し分けることができません。 腰のこの部分は、背中の分厚い筋肉のさらに奥にあるためです。だから「押すと痛い場所」を探すのではなく、反らしたときに痛むかどうかで見てあげてください。壁に手をつかずに片脚で立って、そこから腰を反らすと、より分かりやすいと言われています。無理に反らさせなくて大丈夫。痛みが出た時点で、それが答えです。
ただし、反らすと痛いからといって腰椎分離症と決まるわけではありません。体の動きを見るテストだけでは、腰の疲労骨折を他の腰痛と見分けることはできなかった、という研究報告もあります。逆に、反らして痛くなかったからといって、腰の疲労骨折を否定できるわけでもありません。 初期の段階では、反らしても痛みが出ないことがあるためです。痛みが続くようなら、MRIを含めて確かめてもらうのが確実です。
足の甲——蹴り出しの瞬間に痛む
足の甲は、踏み込みや蹴り出しの瞬間、鋭く切り返した瞬間に痛みが出やすい場所です。足の指の付け根あたりに、押すと痛む1点がないか確かめてみてください。
ひとつだけ、覚えておいていただきたいことがあります。足の甲の内側(土踏まずの上のあたり)と、足の外側の出っ張った付け根は、血のめぐりが乏しく、骨がくっつきにくい場所とされています。ここが痛むときは、早めに確かめていただきたいところです。
足首・かかとが痛いときは、別の可能性を考えます
ここは意外に思われるかもしれません。足首やかかとの疲労骨折は、成長期の子どもではとても稀です。
では何が起きているのか。よく挙げられるのは、次の2つです。
かかとが痛いとき——シーバー病(かかとの成長軟骨に炎症が起きるもの)であることが多いと言われています。10代前半の、走る競技をがんばっているお子さんによく見られます。
足首が痛いとき——捻挫や、成長期特有の「骨端線」(骨が伸びていく成長線の部分)の傷みが考えられます。子どもの体は、靭帯よりも骨端線のほうが力学的に弱いんです。だから大人なら軽い捻挫で済むような力でも、成長線のほうを痛めてしまうことがあります(Heyworth et al., 2008)。
どちらも疲労骨折とは別のものですが、放っておいていいという意味ではありません。痛みが1週間以上続くようなら、一度整形外科で確かめてもらってください。
「膝が痛い」と言うときも、油断しないでください
もうひとつ、見落とされやすいパターンがあります。股関節(脚のつけ根)の骨の疲労骨折が、「膝の痛み」として現れることがあるんです。
膝そのものを押しても痛くない、腫れてもいない。それなのに「膝の奥が痛い」と言う——このときは、膝ではなく股関節のほうを疑ってみてください。ここは見逃したまま走り続けると、大きなケガにつながることがある場所です(Beck et al., 2021)。
当院にお越しくださった10代の男の子も、まさにこのパターンでした(詳しくは後半の「レントゲンで異常なし」の項でお話しします)。
なお、次のチェック表は、痛む場所を問わずに使えるように作っています。どこが痛くても、まずはあてはめてみてください。
チェックを入れると判定が出ます(ウェブ版セルフチェック)
チェックは「体の硬さ」「痛みのサイン」「練習量」「回復環境」の4つ・全13項目に分かれています。 痛みのサインが1つでもあれば、それだけで受診を考えるサイン。痛みがなくても、硬さ・練習量・回復環境に3つ以上あてはまると、疲労骨折が起きる下地がそろっている状態と考えられます。
あてはまるものにチェックを入れて「判定する」を押すと、判定(🟥/🟨/🟩)と、いま取るべきこと、そしてお子さんに合ったおすすめの動きがその場で表示されます。月に1回、または合宿・進学・カテゴリー変更の前後に測ってあげてください。
入力した内容はどこにも送信されません。ブラウザの中だけで判定しています。
🍁 サッカー少年・少女の疲労骨折 セルフチェック(全13項目)
あてはまるものにチェックを入れて、いちばん下の「判定する」を押してください。判定と、お子さんに合ったおすすめの動きが表示されます。入力した内容はどこにも送信されません。
判定別・いま取るべきこと
判定の分かれ目は「痛みのサインがあるかどうか」です。 痛みのサイン(セクション2)や月経の変化(4-C)が1つでもあれば赤信号。痛みがなくても、硬さ・練習量・回復環境に3つ以上あてはまれば黄信号。2つ以下なら緑です。
その前に——「ケンケン」の結果の受け取り方
13項目のなかで、ケンケン(片脚で軽く跳ぶ)は少し特別な項目です。受け取り方に、大事なコツが2つあります。
ひとつめ。ケンケンで分かるのは、すね・太もも・足の甲——つまり脚の骨のことだけです。腰は分かりません。
ケンケンは、着地の衝撃で脚の骨をたわませて痛みを引き出すテストです。体をまっすぐに保ったまま跳べば、腰の骨にはほとんど負担がかかりません。ですから腰の疲労骨折(腰椎分離症)があるお子さんでも、痛みを感じずに何回も跳べてしまうことがあります。「ケンケンが平気だったから腰も大丈夫」とは、どうか考えないでください。腰は「反らすと痛むかどうか」(項目2-C)のほうで見てあげてください。

ふたつめ。脚については、「痛くなかった」と「痛かった」で意味の重さが違います。
- 痛くなかった——すねの疲労骨折の可能性は、かなり低いと考えられます。ここは安心していただいていい部分です
- 痛かった——疲労骨折とは限りません。シンスプリントや筋肉の痛みでも、ケンケンをすれば痛むことは多いんです
つまりこのテストは、脚について「大丈夫かどうかを確かめる」のは得意でも、「疲労骨折だと決める」のは苦手、ということですね。痛みが出たときは、こわがりすぎず、でも確かめには行っていただきたい。そんなふうに受け取ってもらえたらと思います。
🟥 赤信号:痛みのサインが1つ以上ある
骨の中ですでに悲鳴が上がっている可能性がある状態です。取るべきことは3つです。
- 走る・跳ぶ動きを、今日いったん止める。「少し痛むけど走れるから」で続けると、ひびが広がっていくおそれがあります。痛みは骨からの「これ以上は無理です」というサインです。
- 整形外科を受診する。できればスポーツ整形を扱う医療機関へ。「いつから」「どこが」「どんな動きで」痛むかをメモして持っていくと、話が早く進みます。
- 市販の痛み止めを飲ませて練習に行かせない。痛みという警告を消して走らせることになるためです。加えて、一部の消炎鎮痛剤には骨の回復そのものを妨げる作用があるとも報告されています。
赤信号のときは、この記事の後半にある予防の動きも、いったんお休みしてください。痛みがある状態で行うと、予防のための運動が「負担の追加」になってしまいます。
🟨 黄信号:痛みはないが、下地が3つ以上そろっている
まだ骨折には至っていないけれど、疲労骨折を招く条件がそろっている状態です。ここが、いちばん手を打ちやすいタイミングなんですよ。
- 睡眠を8時間以上確保する(まず手をつけたいところです)
- 食事の量を増やす。ごはん等の炭水化物、タンパク質、カルシウム、ビタミンD、鉄分
- 週に1〜2日、完全休養日を作る
- チェックが入った項目に合わせて、後半の予防の動きを取り入れる
睡眠のところに「まず手をつけたい」と書いたのには、理由があります。思春期のアスリートを調べた研究で、1日の睡眠が8時間に届かない選手は、8時間以上眠る選手にくらべてケガが約1.7倍多かったと報告されているためです(Milewski et al., 2014)。眠ることは、いちばん手軽に始められる予防策なのかもしれません。
🟩 緑信号:2つ以下でサインもない
今は負荷と回復のバランスが取れています。素晴らしいですね。この習慣を続けてください。ただし合宿期・進学期・グラウンドが変わる時期は練習量が急に動きやすいので、月1回チェックしてあげると安心です。
「レントゲンで異常なし」と言われたときに知っておいてほしいこと
疲労骨折は、痛みが出てすぐのレントゲンには写らないことがあります。 骨の変化が画像に現れるまで3週間ほどかかることがあるためです。「異常なしだから大丈夫」とは限らない、というのがここでお伝えしたいことです。
痛みが続いているのに「様子を見ましょう」と言われた場合は、走らせずに、MRI検査について相談してみてください。MRIは初期の骨の内部の変化をとらえやすい検査とされています。
当院にお越しくださった10代の男の子も、1回目の検査では分からず、2回目の受診でMRIを撮ってはじめて疲労骨折が見つかりました。「膝が痛い」と言っていたのに、原因は別の場所だったケースです。子どもは股関節の痛みを「膝が痛い」と訴えることがあります(関連痛といいます)。膝の痛みが長引くときは、股関節も含めてみてもらうと安心ですよ。

おうちで5分。予防のための4つの動き
まず押さえたいのは「もも裏をやわらかくすること」と「お尻を働かせること」の2つです。 疲労骨折は、ある日突然起きるのではなく、毎日の「動きのクセ」による小さなダメージが骨に積み重なって起こります。だから狙うのは、負担が一点に集まってしまう原因そのものです。それぞれの動きは、短い動画で実際の動作を確認できます。痛みがある場合(赤信号)は行わないでください。お風呂上がりに、親子で5分あればできます。
なぜ「もも裏」と「お尻」なのでしょう
エクササイズの前に、この2つが骨を守る仕組みを知っておいていただけると、続けやすくなると思います。
もも裏がやわらかくなると、腰と足の甲が救われます。もも裏が硬い(脚上げが70度以下)と骨盤の動きがロックされ、走る・蹴るたびに腰の骨が無理に反らされます。これが、中高生サッカー選手の4人に1人に潜む腰椎分離症の背景にあると考えられています。
お尻が働くようになると、すねが救われます。着地の瞬間にお尻の横の筋肉(中殿筋)が骨盤を水平に保てないと、膝が内側に入るブレ(ニーイン)が起きて、すねの骨にねじれのストレスがかかります。お尻がクッションとして働けば、この負担を物理的に減らせます。

💡 研究でわかっていること
もも裏の硬さは、腰だけでなく足の外側の疲労骨折(ジョーンズ骨折)を招く足底圧の偏り——つま先側や小指側への偏った着地衝撃——にも関わっていることが、日本の女子サッカー選手を対象にした研究で示されています(Takei et al., 2025)。
また、すねの内側の痛みについては、ストレッチだけでは予防効果が確認できず、バランスや体のコントロールを高める運動で効果が確かめられたという報告があります(Marques et al., 2025)。伸ばすだけでなく「使えるようにする」ことがセットで必要、ということですね。
① ジャックナイフ・ストレッチ — もも裏(朝晩5回ずつ)
ねらい:硬くなったもも裏だけを、腰を痛めずにピンポイントで伸ばします。子どもにとっていちばん取り組みやすいストレッチです。
- しゃがんだ状態で、両手で自分のかかとを後ろからしっかりつかみます
- 胸と太ももをピタッとつけたまま、お尻をゆっくり天井に向けて持ち上げていきます
- もも裏が「気持ちよく伸びている」と感じるところで5秒キープ。息は止めず「ふーっ」と吐き続けます
- ゆっくりしゃがんだ姿勢に戻ります。これを5回繰り返します
途中で胸が太ももから離れると、伸びるのがもも裏ではなく腰になってしまい、十分な効果が出ません。膝は完全に伸びきらなくて大丈夫。お腹と太ももを離さないことを最優先にしてください。
※ このストレッチは、4週間続けることで太もも裏の柔軟性が改善したと報告されています(Sairyo et al., 2013)。腰椎分離症のお子さんが自宅で続けた研究では、2か月後に86%で硬さの改善がみられたという報告もあります(Sato et al., 2017)。
② シングルレッグ・ブリッジ — お尻の後ろ(左右10回×2セット)
ねらい:お尻の後ろ(大臀筋)を呼び覚まし、走る・蹴る軸を安定させます。サッカーの走る・キックする動作はすべて片脚で行われるので、片脚でお尻を支える力が骨盤のグラつきを抑えます。
- 仰向けに寝て、両膝を90度に曲げて立てます
- 片方の脚を前に伸ばし、床から少し浮かせます
- 軸足のかかとで地面をグッと押し込むようにして、お腹とお尻を締めながら骨盤を天井に向けて持ち上げます
- 肩から膝までが一直線になる高さで1秒キープし、ゆっくり下ろします
骨盤が左右どちらかに傾いたり、腰を反らせすぎてお腹が突き出るのはNGです。お尻の後ろに力が入っているか、お子さんの体を触って確かめてあげてください。
③ ペルビック・ドロップ — お尻の横(左右15回×2セット)
ねらい:お尻の横(中殿筋)を鍛え、着地の瞬間に骨盤を水平にキープする力をつけます。すねの骨をねじれから守るための、いちばん直接的なメニューです。
💡 研究でわかっていること
すねの内側に痛みのあるランナーを対象にした研究では、お尻の横を鍛える運動を続けたグループで、着地のときの骨盤の傾きが約半分に減ったと報告されています。
※ Lashien et al., 2024, J Orthop Surg Res
- 階段の段差や10〜15cmほどの安定した台の端に、片脚で立ちます(もう片方の脚は外側に浮かせておきます)
- 軸足の膝はピンと伸ばしたまま、浮かせた側の骨盤をゆっくり下(床方向)に落とします
- 次に、軸足のお尻の横をキュッと締める力で、浮いている側の骨盤を元の高さまで引き上げます
- これをゆっくり15回繰り返します
骨盤を落とすときに軸足の膝が内側に入ってしまうと、すねや膝を痛める原因になります。膝は真っ直ぐ伸ばしたままキープし、骨盤だけを上下させること。親御さんが後ろから腰骨を持って動きをサポートしてあげると、感覚がつかみやすくなります。
④ 多方向ミニジャンプ — 骨を育てる(前後・左右 各10回×2セット)
ねらい:骨を作る細胞を刺激し、どの方向からの衝撃にも強い骨を育てます。骨は同じ方向の刺激には20回ほどで慣れてしまうので、短時間で多方向に跳ぶほうが効率よく刺激が入ります(出典:Gómez-Bruton et al., 2017)。

- 床に十字のテープを貼るか、十文字をイメージします
- 両脚で立ち、軽く膝を曲げてクッションを作ります
- その場で「前→後ろ」「右→左」「斜め」と素早く、しかし着地は無音で「ピタッ」と止まるように跳びます。止まったら、そのまま2〜3秒キープしてバランスを保ちます
- 慣れてきたら、片脚(ケンケン)での多方向ミニジャンプにも挑戦してみましょう
着地でニーイン(膝が内側に入る)が起きると、すねや足首への負担が大きく増えます。膝がつま先と同じ方向を向いて、やわらかく衝撃を吸収できているかを見てあげてください。
💡 この動き、FIFA 11+ Kids にも入っています
多方向ミニジャンプは、国際サッカー連盟の子ども向けケガ予防プログラム「FIFA 11+ Kids」のエクササイズ5「片脚ジャンプ」と同じ考え方の動きです。
プログラムでは、レベル1「前方」→レベル2「前後」→レベル3「左右」→レベル4「斜め」と、跳ぶ方向を段階的に増やしていきます。正確に跳べるようにピッチのラインやマーカーを目印に使うことがすすめられていて、おうちで床に十字のテープを貼るのは、これと同じ狙いです。
そしてこのプログラムがいちばん大切にしているのが、着地の質です。
- 膝がつま先より内側に入らないこと
- 膝を軽く曲げて衝撃を逃がすこと(衝撃吸収)
- 着地したら数秒止まってバランスを保つこと(安定性)
この3つは、跳ぶ・着地するすべての運動に共通する目標とされています。
なお本家は片脚で行う種目です。この記事では両脚から始めていますので、慣れてきたら片脚に進んでみてください。
科学的な根拠のあるケガ予防 サッカー少年・少女のケガを約50%減らす予防アプローチ(FIFA 11+ Kids) サッカーを頑張るお子様へ、FIFA 11+ Kidsの科学的原則をもとに、膝・足首・体幹を専門的にチェックし、将来を見据えた身体づくりをサポート
3つのお約束
- 痛みのない範囲で行う。すねや腰、足の甲に「痛み」や「ツッパリ感を超えた鋭い違和感」が出たら、すぐに中止してください。痛みがある状態で行うと、予防のための運動が骨への「負担の追加」になってしまいます
- 中1日あける。②③④は毎日連続で行うよりも、1日おきのほうが骨の適応する力が戻るため、骨が太く強く育ちやすいとされています
- 回数より質。たくさんこなすことよりも、「正しい姿勢で、使いたい筋肉が使えていること」がいちばん大切です。ときどきフォームが崩れていないか見てあげてください
「そのうち良くなるかな」で見送っていませんか
「試合が近いから」「本人が行けると言うから」と、判断を先送りにしてしまうこと、ありますよね。責める気持ちはまったくありません。痛みを訴えていても走れてしまう時期があるのが、疲労骨折のいちばん難しいところなんです。
ただ、痛みのサインが出たまま走り続けると、骨がつきにくい状態が長引いて、休む期間そのものが長くなってしまうことがあります。早く気づけた子ほど、早くグラウンドに戻れる。これはどうしてもお伝えしておきたいところです。つらいときは無理をさせず、早めに確かめてあげてください。
すねやかかと、膝の痛みは、疲労骨折以外の原因で起きていることもあります。


MOMIJIができること・できないこと
当院の役割は、「なぜその子の、その骨に負担が集中したのか」を探すことです。 レントゲンやMRIは骨の状態を教えてくれますが、原因までは映しません。足首やもも裏の硬さ、お尻の筋肉の働き、走り方のくせ、体重のかかり方——画像に写らない部分を、作業療法士として医療現場で19年、体の動きと発達に向き合ってきた視点からみていきます。
先に、できないことをはっきりお伝えします。疲労骨折の骨そのものを整体でくっつけることはできません。画像を使った評価もできません。「いつ復帰できます」と言い切ることもできません。骨がつきにくい場所が疑われるときは、施術を続けずに医療機関の受診をおすすめしています。
そのうえで当院ができるのは、次のようなことです。
- チェック表で赤や黄がついた項目について、その子の体で実際に何が起きているかを評価すること
- もも裏や足首の硬さを、痛みのないソフトな手技でゆるめること
- お尻の筋肉を使って着地のブレを抑える動きを、その子の段階に合わせて指導すること
- 姿勢の写真を撮って、お子さん本人が「さっきと違う」と感じられるようにすること
- 休んでいる期間に、痛みの出ない範囲でできる代替メニューを組むこと(医療機関の指示を前提に)

💡 腰の疲労骨折では「早く動き出すほうが早く戻れた」という報告があります
10代の選手を対象にした研究で、早い段階から専門家の管理のもとでリハビリを始めたグループが、安静を優先したグループより復帰が38日早く、1年間の再発率も3%(安静側は29%)だったと報告されています。
ただしこれはMRIで状態を確かめたうえで、腰を反らさない姿勢を守りながら管理して行った結果です。ご家庭で自己判断で始めるものではない、というところは強調させてください。
※ Selhorst et al., 2026, Br J Sports Med
チェック表の測り方で迷ったときも、LINEから「チェック表のことで」と話しかけていただければお答えします。

キッズスペシャル整体コース
対象は小学生〜高校生。医療経験19年の作業療法士が、痛いところだけでなく体全体の使い方をみて原因をさがし、痛みの少ないソフトな手技でていねいに整えます。初回90分はお話とチェックが加わるぶん長めですが、施術の時間はしっかり確保しています。ご自宅でできるセルフケアもお伝えします。
60分 5,000円
初回 90分 7,000円
※上記料金のみで、他に追加費用はかかりません
【無料ダウンロード】チェック表PDF(A4・1枚)
同じ13項目と判定基準を、A4 1枚の印刷用PDFにまとめました。無料です。登録もアンケートもありません。
- 冷蔵庫に貼って、月に1回チェックする
- 合宿や大会の前に、チーム・部活のみんなに配る
- 記入したものを持って、医療機関や当院に相談に来る
こんな使い方をしていただけたら嬉しいです。印刷は「用紙サイズ:A4」「余白:最小」がおすすめです。シートの左下のQRコードから、このページのウェブ版セルフチェックに戻ってこられます。
▶ 【無料PDF】サッカー少年・少女の疲労骨折セルフチェック表をダウンロード(A4・1枚)
よくある質問
おわりに
お子さんが痛みを訴えているとき、いちばんつらいのは本人です。でも、どうしてあげたらいいのか分からない保護者の方の不安も、それに劣らず大きいものだと思います。
疲労骨折は、早く気づけば、また好きなサッカーに戻れることの多いケガです。そして今まだ痛みがないなら、防げる可能性がいちばん高い時期にいるということです。
月に1回、5分。チェック表に沿って、お子さんの体と対話してみてください。分からないことがあれば、気軽にご相談ください。一緒に考えていきましょう。

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総社市の女性・こどもの整体院 MOMIJI では、作業療法士として医療現場で19年の経験を積んだ女性院長が、お子さんの体をていねいに評価し、通い続けなくていい体を目指してサポートします。
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本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の状態についての評価に代わるものではありません。セルフチェックの結果は目安であり、医療機関での検査に代わるものではありません。気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。※体験談は個人の感想であり、効果を保証するものではありません。



